グレープシードオイルを知っていますか?
「オリーブオイルみたいな?」
「サラダ油よりも体に良いんでしょ?」
「いやいや、この油は危険って聞いたことがある!」
なんとなく聞き覚えはあるけれども、グレープシードオイルの何が体に良くて、何が悪いのかははっきりしていなかったりしますよね。
では、グレープシードオイルにはどんな効果効能があるのか。
危険性があるって本当?
具体的にみていきましょう。
サラダ油は危険で体に悪い?
グレープシードオイルの前に、まずはサラダ油からみていきましょう。
サラダ油は、実は日本で開発された植物油。
日清オイリオが「生でサラダに使える油」ということから「日清サラダ油」と命名したことが始まりと言われています。
原料としてはあぶら菜(なたね)、綿実、大豆、ごま、ひまわり、とうもろこし、紅花(サフラワー)、米が挙げられます。
ひとつの原料によって作られたサラダ油は原料の名前を入れて「大豆サラダ油」などと表示されます。
二種類以上の原料を使用した場合は、「調合サラダ油」と表示されます。
日本農林規格(JAS)の「サラダ油とは摂氏0度で5時間以上置いても澄んだままの状態である」という基準に合格する必要があり、精製度の高い油しかサラダ油にはなれません。
そのため、生でも使用できますし、炒めものや揚げ物などに幅広く使うことが出来ます。
サラダ油をはじめとする油は、ほぼ脂質で出来ています。
脂質はエネルギー源となる栄養素で、身体を動かしたり、細胞を構成する上でも重要な栄養素といえます。
では、どうしてサラダ油は「危険」「身体に悪い」と言われるのでしょうか。
それは、サラダ油には微量のトランス脂肪酸が含まれているから。
トランス脂肪酸は主にマーガリンやショートニングなどの硬化油に含まれるものです。
ですが、サラダ油を精製する工程で、嫌な臭いを取り除く為の高温処理を行う時に微量のトランス脂肪酸が発生してしまうのです。
トランス脂肪酸を多く摂取してしまうと、血液中のLDLコレステロールが増加し、HDLコレステロールが減少してしまいます。
これによって、動脈硬化や冠動脈性心疾患、生活習慣病などのリスクが高くなってしまうのです。
その為、「サラダ油は体に悪い」と言われるのでしょう。
ですが、全く脂質を摂取しないのも、かえって体には悪影響を及ぼします。
あくまでも、摂りすぎには注意が必要、ということですね。
グレープシードオイルの効果効能
では、グレープシードオイルとは一体どのようなものなのでしょうか。
グレープシードオイルとは、その名の通りぶどうの種子を絞って抽出した植物油です。
ぶどうの種子には1粒に1~2割程度の油分が含まれており、それらを集めて作られたのがグレープシードオイルなのです。
そう聞くと、とても高価な気がしますが・・・。
実は、ヨーロッパで白ワインを製造する際に大量に余ってしまった種子を使って製造されているので、価格も非常にお手頃なのです。
そして、オリーブオイルのようなクセがなく、味や匂いもすっきりしており、使いやすいことも利点の1つと言えます。
そんなグレープシードオイル、体にとても良い効果効能もあるのです!
それは、抗酸化作用が非常に高い!ということです!!
「あー!抗酸化作用ね!うんうん。体に良いよね。よく知らんけど。」って、なりませんか?
(え?私だけですか?笑)
せっかくなので、抗酸化作用についても簡単に説明させて下さい!
体の中で酸素を利用してエネルギーを作ると活性酸素が生じます。
この活性酸素が細胞を傷つけるのです。
それによって、がん、老化、シワ、シミ、糖尿病や脂質異常症、動脈硬化といった生活習慣病の原因となってしまうのです。
参考:厚生労働省HP
そして、その活性酸素による酸化を抑え、活性酸素から体を守ることを抗酸化作用といいます。
この抗酸化作用、赤ワインの中のポリフェノールという成分に多く含まれるといった話を耳にしたことがあるかと思います。
グレープシードオイルは、ぶどうの種子から作られるので、その種子の中には、ポリフェノールの中でも抗酸化力が非常に高いと言われるプロアントシアニジンが多く含まれているのです!
しかも、それに加えて抗酸化ビタミンとして知られるビタミンEも豊富に含まれています。
このプロアントシアニジンとビタミンEのダブル効果でグレープシードオイルは抗酸化作用が高いのです!
赤ワインを日常的に飲む人は抗酸化作用によって心臓病の死亡率や認知症の発症率が低いというのは有名な話です。
そして、プロアントシアニジンに関しても、動脈硬化の予防作用、血流の改善作用、そしてそれらによる生活習慣病関連の予防やメラニン色素を抑えてシミを薄くする美白作用やむくみの改善など、多数の報告がされています。
参考:キッコーマン
グレープシードオイルはクセも少なく、赤ワインが苦手な方でも手軽に摂取できます。
そして、グレープシードオイル大さじ1杯で赤ワインをグラス2杯分のポリフェノールが摂取できるそうです。
では、どのように使っていけば効果を最大限に引き出せるのかを見ていきましょう。
グレープシードオイルの使い方
グレープシードオイルは酸化しにくい油ということが出来ます。
だからといって酸化しないわけではないので、出来るだけ酸化しないよう気を付けていくことが大切です。
開封前は常温暗所に保存し、ドレッシングなど生で使用するには開封後1カ月程度とすると良いでしょう。
それ以降は炒め物や揚げ物などに使用し、開封から2カ月位で使い切るのがベストです。
また、揚げ物に使った油はペーパータオルなどでしっかりとろ過して不純物をしっかりと取り除くことが大切です。
揚げ物のカスなどが入っているとそこから酸化が引き起こされやすくなってしまいます。
そしてなるべく空気に触れないように冷暗所で保管し、早めに使い切りましょう。
また、使う量としては1日大さじ1杯程度が目安です。
「そんなに体に良いオイルなら、もっと沢山摂取したい!」
そんな気持ちになりがちです。
でも・・・グレープシードオイルには危険な点もあるのです・・・。
グレープシードオイルの注意したい危険性
過剰摂取
常温で液体の脂質は不飽和脂肪酸から成り、グレープシードオイルはその中のリノール酸を多く含みます。
このリノール酸は、体内で作ることが出来ないので、食品などから摂取する必要があります。
ですが、リノール酸はお菓子やパン、加工食品やファストフードにも多く含まれるので、現代人は不足するどころか過剰摂取になりやすいのです。
リノール酸は血中コレステロール値を下げて血液をサラサラにするといった作用があるのですが、多く摂取しすぎてしまうと免疫細胞が働きにくくなってしまい、花粉症やアトピー性皮膚炎などを引き起こします。
また、動脈硬化や心臓病を誘発しやすくなります。
様々な油の中でもグレープシードオイルのリノール酸含有量はかなり高く、大豆油の1.3倍、なたね油の3.5倍もあるのです。
これが、グレープシードオイルの注意したい危険性のうちの1つです。
参考:日本経済新聞社
化学溶剤の残留
ぶどうの種子に含まれる油分はごくわずかな為、原料の栄養素やビタミンなどを壊さずに搾る低温圧搾法(コールドプレス製法)という抽出法では多量の油を抽出することが出来ません。
その為、抽出効率が良く、安価で製造できる化学溶剤抽出法という方法を用いて抽出する場合が多いのです。
この製法で用いられる化学溶剤は出来るだけ残留しないように製造工程で除去されることになっているのですが・・・完全に除去されているかの確認は難しいです。
また、高温を加えることによる栄養分の損失や変性なども考えられます。
これが、グレープシードオイルの注意したい危険性のうちのもう一つです。
でも・・・こちらの危険性に関しては、低温圧搾法(コールドプレス製法)の製品を選ぶ、ということで回避することが出来ます!
▼迷ったらコレ!本場イタリアのコールドプレス製法のグレープシードオイル
グレープシードオイルはサラダ油の代わりになる?
結論から言えば・・・
グレープシードオイルは、サラダ油の代わりになります!
グレープシードオイルにトランス脂肪酸は含まれていませんので、トランス脂肪酸が気になる方にはとても良いですね。
「だって、さっきグレープシードオイルのリノール酸が危険だって・・・」
そうです。
リノール酸を多量に摂取することは、健康被害に繋がります。
ですが、リノール酸はサラダ油や他の油にも含まれているのです。
そして、適切な量の摂取により、体にも良い影響を与えることも忘れてはいけません。
なので、サラダ油に追加して使用するのではなく、今までサラダ油を使っていた分を置き換えるという使い方をお勧めします。
「プロアントシアニジンが体に良いから沢山使っちゃおう!」はNGです。
でも、「リノール酸が怖いから、使っちゃダメ!」も間違っているのです。
一日の油の使用量の目安は大さじ1杯です。
全く摂取しないのも、大幅に目安量を超えてしまうのも、どちらも体に良くありません。
言い換えれば、適切な量を使用することによって、健康な体へと導いてくれるのです!
グレープシードオイルはサラダ油の代わりになる|まとめ
グレープシードオイルは、ぶどうの種子から抽出された植物性オイルです。
ポリフェノールの中でも特に抗酸化作用の高いプロアントシアニジンとビタミンEを多く含む為に、非常に抗酸化作用の高いオイルであるということができます。
しかし、リノール酸含有率も高いため、過剰摂取はかえって健康を害することに繋がります。
あくまで、今お使いのサラダ油と置き換えてご使用されることをお勧めします!
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